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近年の科学の進
歩はまことに目を見張る勢
いです。かつて、私どもが
旧制学校で学習した内容は、
現在、
ものによっては小学生の高学年でも知識として持っているのが実情です。
また、進歩の象徴的なコンピュータを何の苦もなく操作している学生たちを見ますと、隔世の感があります。
しかし、コンピュータを駆使し、豊富な知識
を有する彼ら学生の姿を見るにつけ、何か物足りなさを感じるの
は私だけでしょうか。
知識もあり、授業にも如才なくついてくる彼らですが、ふと私には、そんな彼らとすでに
完成しきった初老の姿が重なることがあります。
すべてを悟りきったよ
うに、教師が教えることはすべて正しい、教科書に書かれていることはすべて正しい、
皆がそういっているのだから正しい・・・等々これらには、どこか彼らの物事に対する受け身の姿勢が見え
隠れしているように思えるのです。
「なぜ・不思
議・どうして・夢・こうした
い」こういった言葉を耳に
しなくなってから随分経つよ
うな気がします。
今後の世界を支えるものは、一層の科学の発
展と同時に、驕り高ぶりを捨てた、より独創的な科学発展で
あるとわたしは思います。その意味で
本財団が将来に持つ責任は、今まで以上に重要なものになってみて
いるといえるでしょう。
科学の啓蒙も次世代型へ変化させていく必要があります。そして、そ
れは個々の人間性を豊かに育むもの
であり、且つ、幅広い領域を含有しうるものとしていかなければなりません。
我々は、以上の
ような信念を持って、これ
からも本財団を通じて日本
の科学振興、発展に寄与し、たゆまぬ
努力を積み重ねていくことを誓うものであります。
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